【若手教員の育成】先輩に支えられた私が大切にする3つの関わり

若手教員を支える関わりをテーマに、ノートを持つろぼくんの話を笑顔で聞くわんころ先生の水彩風イラスト。 その他

若手教員を支えたい。でも、自分の仕事も終わらない。何を教え、どこから任せればよいのか、迷うことはありませんか。

ろぼくん
ろぼくん

後輩が気になるけれど、どう声をかければいいのかな。

わんころ
わんころ

まずは、よい姿を伝えることと、迷ったときに相談できる関係づくりから考えてみませんか。

私が大切にしたいのは、よい姿を認めること、判断に迷った段階から相談を受けること、忙しさに遠慮せず声をかけてもらうことの3つです。

私は現役の小学校教員です。若い頃、学級経営に悩み、辞めようと思ったときに先輩から支えてもらいました。今は後輩から相談を受け、実践の結果を一緒に振り返っています。

この記事でお伝えするのは、その経験から考える、明日の声かけと後輩の挑戦を支えるヒントです。

こんなお悩みありませんか?
  • 忙しい中での後輩への声かけ
  • 教えることと任せることの線引き
  • 相談しやすい関係のつくり方
この記事を読んでわかること
  • 若手を支えたいと思う理由
  • 日常で大切にしたい3つの関わり
  • 本人の判断と振り返りを支える視点

若手教員を支える理由

窓辺で笑顔を見せるわんころ先生を描いた、若手教員を支える理由の水彩風バナー。

若手を支えることは、将来、互いに助け合える仲間を増やすことにつながると、私は考えています。最初は一緒に仕事をしながら教える時間が必要でも、その関わりを大切にしたいのです。

この考えの背景には、若い頃に先輩から支えてもらった経験があります。目の前の後輩から直接お返しをしてもらう、という意味ではありません。受けた支援を次の人へつなぎ、困ったときに相談し合える関係を、職場に少しずつ増やしていきたいと思っています。

互いに助け合える仲間づくり

若手に仕事を伝えるとき、自分で済ませた方が早い場面もあるでしょう。それでも、最初の取り組みを一緒に進めることには意味があると思います。

今の支援を、これから一緒に働く仲間との関係づくりとして考えたいのです。人のためにしたことが、巡り巡って自分のためにもなる。これが、私の育成に対する考え方です。

  • 一人で抱えず相談できる関係
  • 互いの得意なことを生かせる関係
  • 困ったときに支え合える関係

これは、私が目指している姿です。後輩を支えた結果、実際に自分の仕事を助けてもらえたという具体的な経験は、まだありません。それでも、こうした仲間を増やしていきたいと考えています。

辞めたい私を支えた先輩

若い頃、私は学級経営がうまくいかず、クラスが悪い方向に進んでしまったことがあります。教員を辞めようとも思いました。

その頃、根気強く支えてくれた先輩がいたから、今の私があります。先輩は、私が何をしたいのか、何を大事にして指導したいのかを考えるよう、声をかけてくれました。

その支援の中でも、特に心に残っているのが、自分の指導の核を見つけるよう促してくれたことです。具体的な言葉と、その後にもらった言葉は、後ほど紹介します。

後輩へつなぐ恩送り

私が受けた恩を、今度は後輩に送っていきたい。その思いで、日々、職場の先生方のサポートに取り組んでいます。

このブログも、その一環です。自分が経験してきたことや、仕事で役立つ工夫を届けることが、誰かを支えるきっかけになればと思っています。

先輩が私を気にかけてくれたように、私も後輩を気にかける。まずは、日常の中でできる関わりを大切にしたいのです。

若手との3つの関わり

3枚の無地のカードを囲む手元を真上から描いた、若手との3つの関わりの水彩風バナー。

初めての仕事では、相談を待つだけでなく、先輩から声をかけることが必要だと考えています。経験が少ないうちは、何がわからないのか自体、うまく言葉にできないこともあるからです。

私がおすすめしたいのは、よい姿を認めること、迷った段階から相談を受けること、忙しさに遠慮せず声をかけてもらうことの3つ。特別な研修の時間だけでなく、授業や普段の仕事の中で、関わるきっかけをつくれます。それぞれについて、声かけの例も挙げてみましょう。

授業や日常で見つけたよさ

若手の授業や日常の姿から、よかったところを見つけ、具体的に伝えることをおすすめします。「よかったよ」に、何を見てそう思ったのかを添えてみてください。

例えば、実際に次のような姿を見かけたときなら、こんな伝え方が考えられます。以下は声かけの例で、私の実際の会話の再現ではありません。

  • 「子どもが答えるまで待っていたところが、よかったですね。」
  • 「困っている子に気づいて、声をかけていましたね。」
  • 「説明の途中で、子どもの反応を確かめていましたね。」

自分の型に近いところだけでなく、その先生ならではのよさにも目を向けたいところです。見ていないことまで無理に褒めず、気づいた事実を伝えることから始められます。

判断に迷った段階での相談

「困ってからでも、もちろんいい。できれば、判断に迷った段階で相談してほしい」と伝えたいです。問題が大きくなる前から、一緒に考えたいからです。

実際に、後輩が判断に迷ったときに相談に来てくれたことがあります。その際は、クラスや子どもへの影響を考えながら、実践と振り返りにつなげました。

相談の入り口は、例えば次のような小さな迷いでもよいと思います。

  • 自分の考えた進め方でよいかという迷い
  • いくつかの方法から選ぶときの迷い
  • どこまで自分で対応するかという迷い

すでに困っている人に「もっと早く言ってくれれば」と責めるための話ではありません。今の状況から一緒に考えられるよう、声をかけてもらいたいのです。

忙しさに遠慮しない声かけ

学校では、いつ見ても誰かが忙しそうにしています。だからこそ、「忙しそうだから」と気に病まず、声をかけてほしいと私は思っています。

ただ、「いつでも相談して」と言うだけでは、相談する側がタイミングを探し続けることもあるでしょう。受ける側の関わり方も、あわせて考えたいところです。

すぐに聞けない場合は、例えば次のように、話せる時間をこちらから示す方法があります。

  • 「今は手が離せないので、この作業が終わったら聞かせてください。」
  • 「今日の放課後、この時間に一緒に確認しませんか。」

これは、相談を受ける際の工夫の例です。子どもの安全に関わるなど急ぐ内容なら、約束の時間まで待たせず、その場で対応できる人につなぐ必要があります。

自分で判断する力への支援

ろぼくんの肩越しに開いたノートとわんころ先生の手元を見る、自分で判断する力を支える水彩風バナー。

やり方を伝えることと、本人が考えて判断する機会を支えることを、両方大切にしたいと思っています。初めは先輩が一緒に仕事をして、必要なことを教える。そのうえで、何を大事にしたいか、どう取り組むかを本人も考えていく関わりです。

私自身、先輩から自分の指導の核を見つけるよう促されました。今、後輩の相談を受けるときにも、実際に取り組み、その結果を一緒に確かめることがあります。ここで扱うのは、支えられた経験と、今の実践です。

大切にしたい指導の核

先輩からもらった言葉を、私は次のように覚えています。

わんころが大事にしたいことがわからない。それを見つけると、指導がぶれずに子供に伝わるよ。

自分は何を大切にして子どもに関わりたいのか。先輩は、その核を見つけるよう促してくれました。

今、私が大切にしているのは、次のようなことです。

  • 子どもの話を最後まで聞くこと
  • 授業中の子どもの反応を見て進めること
  • 性別や成績などの先入観で扱いを変えないこと

休み時間には、子どもが声をかけやすいよう教室にいます。授業でも、説明が長くなっていないか、困っている子に支援できるかを見ています。

数年後、先輩から「わんころのやりたいことが、自分にも伝わるようになってきたよ」という言葉をもらいました。それが、とてもうれしかったのを覚えています。

後輩との対話でも、例えば「どんなことを大切にしたいですか」と聞いてみる方法があります。先輩の型を伝えるだけでなく、その先生自身の考えを知るきっかけとして使えそうです。

支障を確かめたうえでの実践

後輩が判断に迷って相談に来たとき、私は、クラスや子どもに大きな支障が出ないことなら、実際に取り組んでもらい、その結果を一緒に確認しました。

本人が試す機会をつくるときも、子どもやクラスへの影響を先に考えることが大切です。経験してもらうために、危険や大きな支障を見過ごす、という意味ではありません。

実践前には、例えば次の点を一緒に確かめる方法が考えられます。

  • 何を目指して取り組むのか
  • 子どもやクラスにどんな影響がありそうか
  • 途中で相談や支援が必要になるのはどんなときか

これは確認の視点の例です。本人に任せる範囲と、先輩が支える範囲を考えながら、取り組める形にしていきたいと思います。

実践後の振り返りの共有

実践して終わりにせず、その結果を一緒に確かめるところまで支える。後輩とフィードバックを確認した経験から、大切にしたい関わりです。

振り返る際には、例えば次のような問いから話を聞く方法があります。これも、実際の会話の再現ではなく、これから使える問いの例です。

  • 「やってみて、子どもたちはどんな反応でしたか。」
  • 「考えていたことと、同じだった点や違った点はありますか。」
  • 「次に取り組むなら、どこを変えてみたいですか。」
相談を受けた際の関わり方の例を、本人の考えを聞く、子どもへの影響を確かめる、取り組みを支える、結果を振り返るの4段階で示した図解。

広島県立教育センターの同僚の成長を支える実践紹介にも、進み具合を確認しながら支援し、段階を追って仕事を任せる例が掲載されています。

先輩が結果を評価するだけでなく、本人の見方を聞きながら、次にどうするかを一緒に考える。そんな振り返りを大切にしたいです。

助言が届かないときの視点

互いに向き合って話を聞くわんころ先生とろぼくんを横から描いた、助言が届かないときの視点の水彩風バナー。

ここまで、私の経験と、そこから考える関わり方を紹介しました。一方で、助言を受け入れない後輩への対応については、私自身に対処経験がありません。

ここからは、経験済みの解決法ではなく、これからの関わり方を考えるための案です。助言が取り入れられなかったとき、すぐに相手の性格を決めつけず、まず何を考えているのかを聞く。そのうえで、本人の工夫を尊重できることと、必要な対応を分けて考える、という順で整理してみます。

本人の考えを聞く対話

助言を取り入れない理由を、本人に聞くことから始めてはどうでしょうか。自分とは違う方法を選んだことだけでは、その考えまではわかりません。

例えば、「その方法にしたのは、どんな考えからですか」と尋ねる。その答えを聞いてから、こちらが心配していることや、助言の理由を伝える形です。

別の方法を試したいのか、助言の意図が伝わっていないのか、実行するうえで困りごとがあるのか。先に話を聞くことで、次に何を話し合うかを考えられそうです。

尊重する工夫と必要な対応

「自分ならそうしない」という好みと、子どもを守るために必要な対応を分けて考えることを提案します。後輩の工夫を尊重できる範囲まで、先輩の方法にそろえる必要はないでしょう。

例えば、話し合う内容を次のように整理できます。

  • 工夫の余地があることは、本人の考えを聞いて小さく試す
  • 子どもの安全や学校として必要な対応は、理由を具体的に伝える
  • 大きな支障が見込まれる場合は、実践を任せる前に主任や管理職と確認する

相手の考えを聞くことと、必要なことを曖昧にすることは分けたいところです。何を心配しているのかを、具体的な行動や影響として話し合う方法が考えられます。

一人で抱えない支援の分担

支障が続く場合は、一人の先輩だけで抱えず、主任や管理職と相談する方法があります。育成する側にも、相談先が必要です。

共有する際には、「素直ではない」という人物の評価よりも、次のような事実を整理してはどうでしょうか。

  • どのような対応が必要な状況なのか
  • これまで何を伝え、本人はどう答えたのか
  • 現在どのような支障があり、どんな支援が必要なのか

これは、対応を考えるための案です。話を聞けば必ず解決する、と言えるものではありません。若手も支える側も孤立しないよう、関わる人を増やす視点として考えています。

よくある質問

無地のカードを持つろぼくんを大きく描いた、若手教員の育成についてのよくある質問の水彩風バナー。

若手教員への関わりを考えると、「相談がない場合はどうするか」「忙しくて聞けないときはどうするか」など、具体的な場面で迷うこともあるでしょう。ここでは、本文の考え方を5つの質問に沿って整理します。

相談の早さや、助言に従うかどうかだけで判断せず、本人の考えと今の状況を確かめることを大切にしたいです。私の経験として紹介したことと、対応の案として挙げたことは分けています。ご自身の職場でできる関わりを考える際の参考にしてください。

若手から相談がないときはどうする

先輩の側から、仕事の具体的な場面について短く声をかける方法があります。例えば、「明日の準備で、迷っているところはありますか」と尋ねてみてはどうでしょうか。

相談がないことだけで、困っていないとは限りません。何を聞けばよいかわからない可能性も考えながら、話すきっかけをつくってみてはどうでしょうか。

困ってからの相談では遅いのか

困ってからでも、もちろん相談してほしいです。「迷った段階で」とすすめるのは、できるだけ早く一緒に考えたいからです。

すでに困っているときに、相談をためらう必要はありません。まず今の状況を共有し、そこからどうするかを考えたいと思います。

忙しくてすぐに話を聞けないときは

聞ける時間を、受ける側から具体的に示すことをおすすめします。「あとで」とだけ伝えるより、いつ話せるかを決める方法です。

ただし、子どもの安全に関わるなど急ぐ内容は待たせず、その場で対応できる人につなぎましょう。すべてを自分一人で受け持つ必要はありません。

若手に仕事を任せる範囲はどう決める

本人の経験と、子どもや仕事への影響を確かめて考えたいです。私の場合は、大きな支障が出ないと考えられることを実践してもらい、結果を一緒に確認しました。

何を任せるかに加え、途中で相談する場面や、実施後に確かめることも共有するとよいと思います。任せたままにせず、支える範囲も考える方法です。

助言を受け入れない後輩にはどうする

私自身には、このような後輩への対処経験がありません。まず本人の考えを聞き、必要な対応を整理することを、検討案として挙げています。

支障が続く場合は、事実を整理して主任や管理職に相談する方法もあります。詳しくは、本文の「助言が届かないときの視点」を参照してください。

後輩へつなぐ最初の一歩

明るい仕事部屋で並んで歩くわんころ先生とろぼくんを遠くから描いた、後輩へ恩をつなぐ水彩風バナー。

明日、後輩の授業や日常で見つけたよい姿を、一つ具体的に伝えてみませんか。若手との関わりを考える最初の一歩として、この記事でおすすめしたい行動です。

私が教員を辞めようと思った頃、根気強く支えてくれた先輩がいました。何を大事に指導したいかを考えるよう促され、数年後には、その思いが伝わるようになったと認めてもらえた。その経験が、今、後輩を支えたいという思いにつながっています。

3つの関わりを大切にしながら、相談し合える仲間を増やしていきたいです。

この記事のまとめ
  • 授業や日常で見つけたよさを具体的に伝えること
  • 判断に迷った段階から相談を受け止めること
  • 忙しさに遠慮せず声をかけられる関係づくり

受けた恩を、次の人へ送る。後輩も自分も、一人で抱えずに働ける関係を目指して、私も日々のサポートを続けていきたいと思います。

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