学期末の所見文、毎回しんどいと思っていませんか。
クラス全員分を一人ひとり書く作業は、時間も気力も消耗します。私もずっとそう感じていました。今回は、ChatGPTを使って所見文を書いてみた実践をそのままお伝えします。
所見文のどこが大変か
所見文の大変さは、「書くこと」より「表現を考えること」にあると思っています。
子どもの様子は頭の中にある。でも、それを学習指導要領の観点に沿った言葉に変換するのに時間がかかる。似たような表現が続いてしまう。30人分書くと、後半はもう言葉が出てこない。
そういう悩みを抱えながら、今回ChatGPTを試してみました。
使う前に必ずやること(個人情報の保護)
ChatGPTを使う前に、必ず以下の設定を確認してください。
① データコントロールの「学習しない」設定をオンにする
ChatGPTの画面右上のアイコン (または左下のログイン名)→「設定」→「データコントロール」→「全員のモデルを改善するためにコンテンツを使用する」をオフにします。
この設定をオフにすると、入力した内容がAIのトレーニングに使われなくなります。
② 個人情報は絶対に打ち込まない
子どもの名前・クラス・学校名は入力しないでください。
「Aさん」「ある児童」などに置き換えて使いましょう。所見のたたき台を作るだけなら、名前は不要です。
実際に使った手順
ステップ1:プロジェクト指示に「AIの役割」を設定する
ChatGPTの「プロジェクト」機能を使い、毎回入力しなくてよい前提条件を事前に設定しています。
私が設定しているプロジェクト指示はこちらです:
あなたは小学校、中学校、幼稚園を経験してきた優秀な教員です。
最新の学習指導要領を参考に回答してください。
最新の生徒指導提要を参考にしてください。
最新の文科省、中教審の回答を参考にしてください。
最新の教育に関する情報を参考にしてください。
様々な指導案も参考にしてください。
これを一度設定しておくと、以降の会話で毎回説明しなくて済みます。
ちなみに、この設定をしておけば、所見以外にも、教材研究や学級経営、生徒指導事案へのアドバイスを得ることもできます。
ステップ2:子どもの様子をメモ書きで入力する
きれいな文章である必要はありません。授業中に取ったメモをそのまま渡す感覚で使えます。
実際に使ったプロンプトはこちらです:
あなたは優秀な小学校の教員です。
次の所見の文章を修正してください。
知識・技能の面を評価したいです。
理科「じしゃくのひみつ」では、磁石を試す中でN極とS極が引き合う性質を見つけました。
その性質を生かしたおもちゃを作り、友達と一緒に活動することができました。
ステップ3:たたき台をもとに自分で書き直す
AIが出してきた文章をそのまま使うのではなく、その子らしい具体的なエピソードを加えて書き直します。
「この子はここで特に輝いていたな」という部分は、やはり私自身が書かないと伝わらないと感じています。
使ってみた結果
- 時間:1人あたり約30分 → 約10分に短縮
- 表現の質:学習指導要領や「指導と評価の一体化」の観点に沿った表現が自然に出てくるので、文章が洗練された
- 気になった点:AIの文章はきれいすぎて、その子らしさが薄い。必ず自分の手で加筆修正が必要
まとめ:AIはあくまで「たたき台ツール」
ChatGPTは所見文を「完成させるツール」ではなく、「たたき台を作るツール」として使うのがちょうどいいと感じています。
表現に悩む時間を減らして、その分子どもを見る時間に使う。そういう使い方であれば、学校現場でも十分活用できると思います。
個人情報の扱いだけはくれぐれも注意して、ぜひ試してみてください。



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